ぼくと妻#4〜トーザ・カロットの人々

ぼくたちが家族になった頃は

人も空も

つまりはこの星をひっくるめた宇宙が

今よりずっとずっと元気でね

猫たちも三つ目たちも

まあ思うところはあっただろうが

この小さな星で慎ましく暮らしていた


孫は小さかったので

たまにきみの毛糸屋さんで会うぐらいだったが


お目々ひとつケガしたの?

痛い痛いなの?


ある時そんなことを言われてね

こんなに幼くても“視えて”いるのかと

驚いたものだ

妻にもよく歌をねだっていたよ

人たちにとっては不吉な悲しい歌詞だったが


だいじなお歌

ありがとう


聴き終わるたびに神妙な顔になっていたな


旅猫に伝わる歌なんぞ

なんて言わなかったのが

あの子の両親の素敵なところでね


そういえば妻は

まだ旅を続けているらしい

星を渡るのはどんな心持ちなんだろうねえ

きみもあちらこちら渡ってきたのだろう

さぞや恋もたくさん…


いや

これは失礼した

謝るからイカ耳をそろそろやめてくれないかな